おてつだい
こだまちゃんの声がします。
カラカラ トコトコがありません。外でお向かいさんと話をしているようです。
窓から様子を見て居ました。
「こだまちゃんが手伝ってあげる」「おーそうかい アリガト、アリガト」
塀沿いにいっぱいの花を咲かせているお向かいさんは、ていれと掃除が欠かせません。
やってきたこだまちゃんに手ボーキを渡すと、得意そうに路地を一生懸命掃き始めました。
「お手伝い上手でしょう」「おー上手、上手」「お茶碗も洗えるんだよ」「おーそうかい、
すごいね〜」そうしている内に「それがいい」「これかい? 大きいよう〜」「ウンそれ」
「大丈夫かな?」こだまちゃんより竹ボーキの方が大きくてままなりません。
しばらくして飽きたのか、ほうきの柄にまたがり遊び始めました。
路地を行ったり来たり、お花の手入れもお掃除もすっかり終わってしまいました。
竹ボーキの遊びが気に入ったらしいこだまちゃんを呼び止めて、
「お手伝いが出来たからおやつをあげようね」「ハーイ 梅ジュースと飴がいい」
「オーそうかい、梅ジュースがないからヤクルトと飴をあげようね」「ハーイ」
おやつを受け取ると、お家の方にかけだしました。
「アリガトウ」後ろ姿にオレンジ色の声が残りました。
幼子の訪れを待つおやつ時 足音にふと聞き耳を立て